2025年11月17日
癖と曲
『置き配的』の見本が届いた回。ホン・サンスを3日で十数本まとめて観た話から、 倫理的にアウトな人がいてくれることのありがたさへ。 そして「かっこいい曲を作るより癖を作ることのほうが大事」—— 曲がると書いて曲、曲と書いて癖。くねくね曲がりながら長生きしよう。
話の流れ
- 0:09置き配的の見本が届いた帯にシールが貼ってある初回配本限定仕様。「置き配」という字面が変で、10年前にはありえなかった文字列がいま当たり前になっている。
- 5:00拾われていく本中心的なテーマを抽出するタイプではなく、置き配のように広いものをただ書いてあるから、気になったものを勝手に拾って使ってほしい。
- 10:30遅刻とスマホ忘れ福尾が収録後にスマホを車に忘れ、取りに行った先で荘子itの家族と合流して子供と遊んだ。人が物を落とすと嬉しくなる。荘子itの遅刻ももはや定番。
- 12:40ホン・サンスを3日で十数本2015年以降を観ていなかったので溜まっていた。VPNでアメリカのストリーミングまで使って観た。朝起きられなくなって家族に怒られた。
- 15:00そういうやつがいてくれることのありがたさ倫理的にアウトな主人公ばかりの映画を撮り、自身も不倫でヨーロッパに行った。だが「許さない」ではなく、そういうやつがいるということがベースありがたい。
- 27:20固有名とトーンしか聞かれていないポッドキャストもYouTubeも、誰の名前が出たかと「優しそう」「聞きやすい」という人柄の話しかされない。内容について考えてもらうのはめちゃくちゃ難しい。
- 38:20加湿器の蒸気を妻と見間違える『置き配的』第10回「私でなくもない者たちの親密権」。親密であるほど取り違える。幽霊の代わりとして家族がある。
- 45:00黒嵜想の初対面法初対面の人が自分の知っている誰に似ているかを決めてから喋る。トークイベントの客席で「久しぶり」と話しかけ、お茶しているときに初対面だと発覚した。
- 47:10ターゲッティングは個人を一面化する病んでいる人に寄り添おうとすると、病んでいるという状態が前提になって、かえってその状態に閉じ込めてしまう。生きていること自体のごちゃごちゃさを肯定するルートを作りたい。
- 51:10読者が調教される本を読んで、その本が想定している読者に自分から進んでなろうとしてしまう。読者が単なる読者である状態はけっこう難しい。
- 53:20新しいイシューを作るすでに共有されているイシューに新しい角度を投げかけるのではなく、「置き配的」という新しいイシューを作ることで他のものの見え方が変わる。
- 56:30癖と曲作曲でどこに重点を置いているかというと、かっこいい曲を作ることより「癖」を作ること。曲がり角にちょっとだけ力を加える。
- 1:04:20くねくね曲がって長生きするまっすぐ泳いでいると株に当たって死ぬ。デカルトは森で迷ったらまっすぐ進めと言ったが、長期スパンでは曲がったほうがいい。どちらも大事。
この回で出てきた言葉
- 置き配写真館『置き配的』をAmazonで置き配指定で注文して、届いた様子を撮って投稿しよう、 という荘子it発案の遊び。
- 置き配的2025年11月刊。
- 癖と曲荘子itが「ずっと一番大事だと思っていること」として語った話。
- 固有名とトーンしか聞かれていないポッドキャストもYouTubeも、結局「ここで誰の名前が出た」ということと、 「優しそう」「聞きやすい」という人柄の話しか受け取られていない側面が けっこうある、と福尾は言う。
- 資本論福尾が『八月の光』の次に読んでいる。
- 荘子itの遅刻収録に遅れてくるのがもはや定番になっている。
- ターゲッティングは個人を一面化する最近の人文書が疲れている人・病んでいる人に当てられすぎている、 という福尾のツイートから。
- 読者が調教される本を読んで、その本が想定している読者に自分から進んでなろうとしてしまう感覚。
- 홍상수年に2本ほど撮る多作な韓国の映画監督。
- よく知りもしないくせに映画祭に審査員として呼ばれた映画監督が飲んでばかりで、 知り合いの家に遊びに行って奥さんとどうにかなる。
- 私でなくもない者たちの親密権『置き配的』第10回。
この回で触れられた項目
この回からの引用
許さないとかじゃなくて、そういうやつがいるっていうのがベースありがたいみたいな気持ちになるんだよね。
→ 홍상수
親密であるってことは、僕は僕の妻の固有性を知ってるっていうのが一般的な理解だと思うんだけど、それと一緒に起こるのが、妻とか自分が親密な人のイメージをいろんな人に勝手に当てはめてしまうってこと。
かっこいい曲を作るというより、癖を作るということの方が大事だな。曲がると書いて曲っていうと音楽・歌みたいな感じであるけど、作曲っていう行為をどこに重点を置いてるかというと、どっかちょっと癖。
→ 癖と曲
壁の癖はそこの一つにハマってる感じがあるじゃん。曲の癖って曲がるだけだから超プレーンなんだよね。いくらでも曲がれるっていうかさ。
→ 癖と曲